2010年8月6日金曜日

原油流出は解決したか?

メキシコ湾に大量の原油を流出し続けた油井 Deepwater Horizon に対する恒久的な封鎖は成功したと見られています。これを受けて、オバマ大統領も「この戦いは収束に向かっている (close to coming to an end)」との認識を示しました。

これに先立って、 NOAA(米海洋大気局)は約75%の流出原油が既に何らかの形で除去されている、というレポートを発表しました(同リンク、及び NY Times の記事)。その内訳は以下の通りです。

  • 33% -- 人為的に除去
  • 25% -- 蒸発または海中に融解
  • 16% -- 自然に分解・分散
 そして、この先大きな被害をもたらすことはないだろう、としています。

しかし、本当にこれで一件落着でしょうか? このレポートを受けて、多くの科学者が疑問の声を上げています。 一見油の残骸が見あたらなくても、ビーチの下に埋もれていたり、海底に沈んでいることが考えられます。海流によって、たまたま別の場所に移動していただけかもしれません。残存している油が食物連鎖に取り込まれた場合の、長期的な影響にはまだ不明な点が多く残っている点も、認識しなくてはなりません。ある科学者は、この問題を2次元だけでとらえるのではなく、三次元的な災害と受け止めなくてはならない、と指摘しています。

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